姪の出産 |
兄の忘れ形見、一人娘の姪に次女が生まれた。
彼女はブログの達人で帰国子女。
一昨年帰国してからは埼玉にいる。
姪とは小学生の頃に会ったきり音信不通で、
3年前に兄(姪の父)が他界した折、消息を探し
アメリカはロサンゼルスに居住しているのが
わかり、連絡を取りそれ以来の交流となる。
今年の3月には兄の3回忌があり、そのときにも
再会した。
今年は、私の母の認知症の進行などがあり、
忙しくしていた私は、この年末に。。
そういえば姪はどうしているかな?
と、ふと思い出し、彼女のブログを見に行った。。
すると、なんと、ちょうどその日。。
次女が誕生したというではないか。。
さっそくお祝いのメールを送り、記憶が定まらぬ
母(姪にとっては祖母)にそのことを報告に行った。
案外、母は。。
「おやおや。。二人目も女の子なんだね~」
などと記憶しているのだ。
「それにしても○○(我が兄)は孫の顔も見ずに、
二人目の孫も生まれたっていうのに。。
それも知らずにあの世に行っちゃって・・」
などとしんみり言う。。
私が・・
「いや・・きっとその辺で聞いていて喜んでるんじゃ
ないか」
と言えば。。
存外はっきりした物言いで。。
「いや、あの世に行っちゃって、わかるはずなんか
ないよ!」
と眼に涙を浮かべながら言うのだ。
最愛の長男に先立たれた悲しさはいかばかりかと
思うのだが、その思いを胸に押し込み耐えていいる
母の心中察するに、思わず私も胸に詰まるものがある。
認知症という薄れゆく記憶の中でそのことだけは
しっかりと忘れない母を思うのだ。。
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