マツモ~三陸の海のかおり |
北海道と三陸を中心に、北日本の海岸の潮間帯の岩礁に生育
します。
色は暗褐色で、全体にぬるぬるしています。
冬から春にかけて成長し、夏には消滅します。
長さは約30cmくらいになります。
『本朝食鑑』には、マツモは「参州、遠州の海浜にある。
石上に生えて、緑色をしている」とありますが、これはほか
の海藻の間違いのようです。
マツモは太平洋沿岸北部から犬吠崎あたりまでしか生育して
おらず、色も緑色ではなく暗褐色です。
採取時期は12月から4月ごろです。
「マツモは、寒い2~3月に採ったものが、やわらかくて
香りもいいですね」
と三陸の沿岸に住む主婦は語ります。
しかし、そのころの三陸海岸はシケや雪風の日が多く、
なぎの日はめったにありません。
マツモは岩場に生えていますから、足場と波にとくに注意が
いるのです。
さらにワカメの採取時期とかさなるためにマツモはたくさん
採っている暇がないのです。
マツモは三陸の特産でもありますが、その風味や歯ざわりは
珍味といえるでしょう。
そのうまい食べ方は
「やはり、酢物でしょうね。お酒のつまみに最高です。
お味噌汁も磯の香がプーンとにおって、なんともいえま
せん」
と語ります。
三陸の三月下旬。 小さなあかりのような、マンサクの咲き
はじめるころが、マツモのおいしい季節といわれます。
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