浅田次郎原作で高倉健主演の映画にもなった「ポッポ屋」。
そのモデルとなった北海道の深名線を思い起こした。

深名線はもうずいぶんと前に廃線となったが、ここ、石岡から
鉾田まで走る鹿島鉄道は現役である。

玉造ゴルフクラブは水郷地帯にある。
コースは2つ。
距離のある捻木コースと、やや距離は短いが池や川に囲まれた
若海コース。

ここのメンバーで友人の中島さんと2日間2コースのラウンドの
予定をたてたのは、もちろん青森のゴルフ場が雪に埋まって
クローズということ。

そしてもうひとつは、一昨年から一緒にゴルフやろうと、メール
や電話でやり取りしながら、おおかみ中年の私は毎年その約束
を破ってきた。

今年こそはとやってきたというわけなのだ。。

中島さんは、このブログでも再三登場する、茨城県鉾田のジー
ンズショップ「ジイマ」のオーナー店長さん。

実は中島さんとは会うのは初めてなのだが、もう何年も交流が
あるので、初対面という感じがしない。

会った瞬間から、旧知の友人のように冗談を言い合い、楽しい
ラウンドができそうな予感がする。

初日は「捻木コース」

「フラットで美しい、アメリカンスタイルの林間コース。
　フェアウェイはなだらかなマウンドがあり、バンカーと池が
　絶妙に配置されている。グリーンはベントのワングリーンで、
　それぞれのアンジュレーションに個性があり、各ホールごと
　のおもしろさと戦略性に富んだプレーが楽しめる。
　スコアメイクが難しく、攻略に意欲が燃える。」

とはコース説明ガイドだが、なるほどその通りかなと思う。

以前沖縄でのゴルフで、風の中でのゴルフのことを話したこと
がある。

ゴルフとは自然との対話だとよく言う。
若いころにはこんな風さえなかったらなどと、思ったものだが
歳経るとそれもゴルフのうちと思うようになる。

私のホームコース東奥カントリーも風の吹かぬ日はないといわ
れるほど、ヤマセが吹き込む自然環境の厳しいコースで、
スタートで考えることのまずはじめは、今日の風向きであった
りする。

玉造ゴルフ倶楽部の特徴として、厳しい自然環境の中に造られ
たコースではない分、人工的に戦略性を高めようとしているよ
うだ。

コースにはいろいろなコンセプトがあるし、私はいつもとは違
うゴルフで、ある意味たいへん面白いと思っている。
我が妻はいたくこのコースが気に入ってしまったようだ。

たとえば捻木コースの16番パー４はティーインググラウンド
から、グリーンはまったく見えない。

レギューラーティーから非力な私が打ち出し、落下地点に行っ
て90度左を見ると、残り100ヤード程度のちょうどいい花道に
ボールがあることになる。

飛ばしすぎると、かえってグリーンは狙いにくくなる。
つまり飛距離にアドバンテージが与えられないということで、
クラブ選択の重要性が重んじられるようになっている。

こういうコースでラウンドするのは久しくなくて、頭を使って
するゴルフが面白い。

沖縄でラウンドすると、風対策の勉強になる。
ここでは戦略と、バンカーと、難グリーンの勉強のようだ。

それにしても良くバンカーに入れたし、池にボールが沈んだ。

ときおり上空で爆音が轟くので、中島さんに「あの音は？」
と聞いて見た。

ここは自衛隊の百里基地が近くで戦闘機が飛び交うのだという。

「ときには低空飛行で飛んでくると、戦闘機のパイロットが
　見えたりするよ」と言う。

ショットの合い間に空を見上げて見たら、折りしも、キーンと
いう金属音が鳴り響き、間近に戦闘機が迫ってきた。

じっと眼を凝らして見たが、残念ながらパイロットまでは見え
なかった。

雲ひとつない快晴で天気は最高。
気温もどんどん上昇していく。
思わぬ茨城での夏空だ。

青森から来るとつい厚着になり、ハイネックの上からウィンド
ブレーカーまで着込んでしまった。

ウィンドブレーカーは脱げば良いが、ハイネックは脱ぐわけに
もいかず、ラウンドとともに汗はビッショリ。

・・冷や汗ではない(^^ゞ・・・

とうとうハーフターンの休憩時に、シャツを購入する羽目にな
ってしまった。

初日ラウンド後に中島さんのお店に寄らせてもらう。

私はジーンズ愛好家ではあるが、ジーンズショップに入って
ジーンズを買うのにためらいがあり、最近は全部中島さんに
選んでもらって送ってもらっている。

ジーンズショップが珍しくて、閉店時間までうろうろさせて
もらった。

中島さんの父君もおいでになられゴルフ談議に花が咲いたが、
父君はなんと、齢70を超えられ、なおも現役のシングルプレー
ヤーとは驚いてしまった。

玉造には都心からも腕自慢がやって来るそうで、

「メンバーとして同伴することがよくあるが、ほとんど皆100も
　叩いて逃げ帰っていくよ。。」

とカンラカラカラと笑っておられたのには、なるほど納得の難
しいコースで、もちろん私は腕は自慢できないが、なんとか
100手前の98がせいいっぱいだった。

私は中島さんと商売のことで話し込んでいる間、我が妻は父君
とゴルフ談議の続きをしており、老練なシングルプレーヤーの
お話はほんとうに参考になると喜んでいた。

中島さんには叱られるが、父君のお話で一番含蓄のあるお話を
披露する。

「息子は○○番で何ヤード飛んだ。というのを自慢にするが、
　スコアがいくらだったかとは言わんよ。。（笑）」

さすが距離は出なくともシングルである所以の話ではある。

翌日は「若海コース」

こちらの説明ガイドはこうだ。

「豊かな大地に戦略性を追求したレイアウト。
　景観のすばらしさ、プレーの楽しさを充分に味わっていただ
　けます。変化に富んで、それぞれに印象的な１８ホールは、
　チャレンジ精神を刺激する本格的チャンピオンコースといえ
　ます。」

昨日の捻木コースより各ホールとも、さらに池とバンカーで囲
われている。
距離はやや短いが、戦略性では捻木コース以上だ。

前日とはうってかわって小雨模様。
昨年前半の晴れ男に、後半の雨男が同居している。

前からそうなのだが、どうも後半疲れが来るとフックが出る
ようになる。
さらにひどいのは、アプローチでシャンクしてしまうように
なる。

中島さんはＮプロに師事しているので、この際勝負はさておき
スウィングチェックしてもらった。

・・・体が傾いている・・・という。

中島さんも、おかしくなるとプロは体の傾きを修正するように
言われるそうだ。

まっすぐ立つように修正してドライバーを打つと、見事に打感
も変わった。

2日間のラウンドも最終の18番。
ようやく最後になってつかまりのいいボールが飛んだ。
飛ばし屋の中島さんに、50～60ヤード常に置いていかれていたが、
これはせいぜい20ヤードくらいしか置いていかれていない。
落下地点もベストポジション。

私の傾き矯正を横目で聞いていた我が妻は、自分も傾いている
と気がついたか、アドレスを見るとすっきりと立っている。

シュッと振り出した渾身の一打は男並みの初速。
やや左目に飛んだボールは、なんと飛ばし屋の中島さんとほと
んど変わらぬ地点に落下した。

最近ではほとんど飛距離で妻に勝てなくなった。

体育会系のあの人たちとは、そもそも筋力が違うのだと自分を
納得させるのに必死だが、やはり内心では飛距離がほしいと思
うのが心情ではある。

飛ばない私でも体の傾きを修正したら、前よりは飛距離がでる
ようになったのがうれしい。。

しかし、それにしてもシャンク病がなおらない。。
おそらくカップを狙いすぎてすくい打ちになっているのが原因
と思うのだが。。。

希望と悩みの混在した茨城合宿。

ところで肝心の中島さんとの勝負だが、これはスクラッチで
ほぼドロー。

決着は次回としておきたい。