警察の捜査 |
ピンポーン!
それは突然やって来ました。。
「どちらさま?」
「警察です」・・・・
「ど・どのようなご用件で?」
ただせさえ気の弱い私は、もうその時点でうろたえてます。。
「ひき逃げ事件で捜査中です。ちょっとお話をお伺いしたいのですが」 とおっしゃいます。
ひき逃げ・・ちと、心当たりがないわけでもありません。
それは昨日のことです。買い物で車を運転中、せま~い路地に入り込みました。 向こうからランドセルをしょった男の子がやってきます。 道路の両側は雪でいっぱいです。。 かわすのが危険と思い、車を止めて通り過ぎるのを待ちました。
男の子は体を横にして車の脇を通り過ぎながら私の車のボンネットに手をつきました。。 雪で狭くなった道は気をつけないと危ないなぁ~ と思ったものです。
まさか・・あのボンネットに手をついたのがひき逃げえーーー んな馬鹿な・・・ とますますうろたえながら、玄関口まで行きますと刑事さんが二人お見えです。
さっと折りたたみ式の警察手帳を提示します。
・・・あっテレビで見たのとおんなじだ・・・
「突然ですが2月1日の2時頃ですが、浪岡にはいらっしゃいませんでしたか」
・・・どうも昨日の件ではないようです・・・
「いえ、行っておりませんが・・」
「ではその時間はどこでなにをしていましたか?」
・・・ア・アリバイ??・・・・
なんにも悪いことしてないのに、だんだん口は渇いてきます。
高校生の頃、ある暴力事件に巻き込まれたことがありました。 むろん私は歩いていたら突然殴られたという事件でして、完全なる被害者でした。
某警察署にパトカーで連れて行かれた(連行ではありません)私は、親切な刑事さんに 「そこに座って待ってくださいね」と言われ、待機しておりましたら、いきなり別の刑事さんに頭をポカーンと殴られました。
「お前、今度はなにした!」
「えっ! ボ・・ボクは被害者ですけど・・」
「ぬあにい~ひがいしゃぁ~~ おいっ おまえ よくみかけるぞーー」
と、怒鳴られたところで親切な刑事さんが現れ、おおあわてで・・
「や・山さん(じっさいは山さんではなかったかも(笑) この子は被害者ですってば」と説明した瞬間、 その暴力刑事は「あ・そう」とだけ言っていなくなりました。
親切な刑事さんは 「今のこと、ご両親や学校の先生には言わないでね」とおっしゃりました。
それ以来、私は警察がトラウマのようです。
話を戻します。。 そのアリバイです。。
残念ながら事務所にずっとおりましたので、スタッフ以外証明者はおりません。
刑事さんは続けます。
「実はひき逃げの車、判明してるんですわ・・」
・・・知ってるぞ。と言わんばかりです・・・・
「マツダのMPV・・目撃者がおります。 ちょっと拝見させてもらっていいですか?」 とのことです。
・・・まさしく、私の車はマツダのMPVです・・・・
「で・色ですが黒ですね」とのご質問。
私 「いえ、私のはグレーですが。」
刑事さん 「はっ? グレー? 黒じゃない?」
二人で資料見ながらヒソヒソと相談です。
刑事さん 「どうもすみません。。資料間違いてるんですわ・・わっはっは・・ 」
「でもまぁせっかくですから一応車だけ拝見して帰ります。 どうもどうもお手間を取らせました」
しばし呆然の私はふと我に返り、車庫まで行って見ました。
雪の中刑事二人の足跡は・・・テンテンと・・車庫まで・・
おい!足跡付いてないぞ!!
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