フノリ~用途の広い海藻 |
採取と保存
・門口も磯の匂やふのりほし 梨中
・ふのり干す日和や海も乾くとか 六尽
フノリは紅藻の一種で、おもなものにはマフノリ、フクロフノリ、イトフノリ、ハナフノリ、ミナミフノリなどがあります。
マフノリは、俗にゴトウフノリ、スジフノリ、チョウセンフノリ、ノゲノリ、ホンフノリともいいます。フクロフノリは、ずばりフノリともいいます。
「ノゲ」とはマフノリが芒のような形をしていることをあらわしています。
フノリのあて字には、つぎのものがあります。 布苔、布海苔、布乃里、布乃利、布糊、海羅、青角菜。
フノリという名前の意味は、煮とかすと、ノリ状(フノリ液という)になることからきています。 中国語では赤菜と書きますが、これは、干したフノリのあざやかな朱紅色をあらわしているのでしょう。
<採取時期>
フノリの採取期間は、およそ二月から六月ごろまでです。地域によっては、四月上旬ごろまで採取します。
フノリの産地ではほとんど採取期間と採取日が決められていて、それ以外の時期の採取を禁じています。
ふつうの磯で勝手にとってもいい場合は、なぎの日の干潮時をえらび、足場に注意をして、手でむしりとります。
網袋かビニール袋などに入れて、最後に海水ごとふり洗いするといいでしょう。
フノリは、寒い時期にとったものが、風味が良く、良質といわれます。乾燥した寒フノリは市場でも良品として取引されています。
浜では検査をして一等、二等、三等・・・等級外などランク付けされます。 また、普通の時期にとったマフノリ、フクロフノリの塩蔵・乾燥品も、市販されていますが、価格的には廉価品とされています。
ちなみに当店で販売しているのは一等です。PRでした(^^)/
<干し方と保存>
採取したフノリを干す場合は、つぎのようにすると良いでしょう。
1、石づきや砂などをのけてザルに入れ、よくい水洗いする。
2、水けをきって、すのこ(または平たいコンクリの上など)にうすめに 広げ、天日乾燥する。
3、ときどき手を入れて、風通しをよくする。 (これをおこたると、むれてしまう)
4、干しあがったら、湿気をおびないように保存しておく。
フノリは、粘液性があって、紙などの上に干すとくっつきやすいので、注意しましょう。また、干しあげたものは、ぬれた手でさわらないように気をつけてください。
<下ごしらえ>
※生ふのり
とりたてのものは、都会では入手しにくいので、塩蔵もの(マフノリ)が市販されていますから、これを使うといいでしょう。
下ごしらえは、必ず水を使います。お湯をかけるとねばりがでて、風味がとぼしくなります。ザルに入れたまま、水洗いして塩を洗い流します。
石づきが残っていれば、ちぎってのけます。新しい水に三分間ほどひたしてから、水けをきって使います。
※乾燥フノリ
マフノリ、フクロフノリとも、ビニール袋入りで市販されています。塩は加えていません。良く乾燥しているものが良品といえますが、大きさのふぞろいは関係ありません。
下ごしらえは、さっと水にひたすだけでいいでしょう。数分間でもどるのでひたし過ぎないようにします。
生のフノリよりお湯にとけやすいので、汁物に使うときはその点を気をつけます。あとは生フノリと同じように利用できます。
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