新春の蓬莱飾り |
(メルマガに掲載したうんちく話から)
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海藻の四季は蓬莱飾に始まります。
初春の祝にと、三宝の盤にめでたい品を飾るものですが、
海藻はその中の重要な一品となっています。
千数百年以上にわたって出雲大社を守ってきた出雲の
国造家では、三宝に白米を敷き、その上にミカン、串柿、
勝栗、力祝、橙(だいだい)を飾ります。
このとき橙にコンブ巻をつけ、力祝にはホンダワラを巻き
上げます。
(力祝とは杵でこねた程度の餅のこと)
ホンダワラという名は、大国主尊の乗っている米俵になぞ
らえたもので、他に神馬の尾に見立てた神馬藻ともよばれ
ています。
歳徳神の馬に献ずるという意味で神馬藻を用いるのですが、
他の意味もあります。
ほだわらや祝儀表する宿の春 祐元
ほだわらは「穂俵」に通じ、小さな袋が藻の葉先にいっぱい
つけている有様は、稲穂を連想させます。
これを、わらしべで一握りばかりに折って巻き、米俵の形に
して、新春の祝儀とするのが古くからの形式です。
高知県の蓬莱飾も国造家に似ています。
三宝に米か鏡餅を盛り、その上にゆずり葉か松竹をさした
橙をのせ、栗、干柿、干魚、かやの実などと供にホンダワラ
を供えて床の間に飾り、年賀の客にそなえます。
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